プライムタイムズ

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女性は稼げば稼ぐほど未婚率があがる

 世の中は不思議なことばかりで、一部の若者は、コンビニや居酒屋で、反社会的行動を自ら撮影し、SNSに投稿しては炎上を繰り返している。『不思議の国のアリス』は、幼い少女アリスが、白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、言葉を話す動物や人間の形をした歩くトランプなど、様々なキャラクターたちと出会いながら、その世界を冒険する様子を描く子供たちに人気のファンタジーだ。人は不思議なことが起きると、注目意欲が掻き立てられ、魅了されるものなのだ。

 

 現代では、高学歴で高収入女性の未婚率が高いという不思議な現象が起きている。例えば、女子アナウンサーは、テレビ局という高収入が約束された企業に勤め、皆一様に高学歴で美人にも関わらず、未婚の人も多く見られる。

 

 こういった女性の多くは、親は一流企業に勤め、実家は東京23区内で、小さい頃から塾にいったり、お稽古にいったりと、文化と教養を高めることに励み、私立のお嬢様学校に中学校から入学し、高校、大学と順風満帆に進学している。そのかいあってか、一流企業に勤めることを達成し、年収も年齢と共に勝手に増加していく。そんな女性が、なぜ結婚していないのだろうか。一般的な童話では、シンデレラにしろ、白雪姫にしろ、みんな王子と幸せに結婚して物語が終わる内容が多いし、こういう女性ほど、親から小さい頃から読み聞かせされてきて、「結婚して幸せに暮らす」ということが脳内に刷り込まれているはずだ。それなのにである。

 

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  このグラフは、東洋経済オンラインニュースから抜粋したもので、年収別の未婚率を示している。全体では、男性だけでなく、女性の未婚率も上昇していて、2015年の「国勢調査」によると、女性の生涯未婚率(50歳時点で未婚の割合)は、14.1%で、5年前の前回調査と比較して3.4%も増えている。さらに女性の場合は、年収が高いほど結婚できていない。男性はその逆で、年収が低いほど結婚できておらず、「稼げない男、稼ぐ女」が未婚率が高いのだ。

 

 結婚している女性は、大学難易度に関係なく、世帯年収に占める妻の年収が20%未満の世帯が最も多いのだそうだ。仕事と両立して家庭を運営したいのと同時に、世帯収入は落としたくない、もしくはハイレベルで維持したいという小さい頃からの上昇志向が、結婚相手に経済力を求めるのだろう。なぜなら夫より稼ぎが大幅に大きく、家計を支えているという世帯は、少数派であることを示しているからだ。

 

 稼げない男と稼ぐ女がミスマッチによって結婚しないのであれば、政府が推進する女性の社会進出が進めば、残念なことに少子化は益々進むだろう。なんとももどかしい話である。将来的に、所得の低い男性と結婚した場合は、税金の優遇など、何かしらのインセンティブが付与されるような時代が来るかもしれない。そうなると、女性全体の様子も変わってきて、男性に稼ぎを求めなくなるだろう。ただそうなると、男性は種馬の趣が強くなって、これでいいのかということになるけれど。いずれにせよ、生涯未婚率は2015年が14%だから、稼ぐ女性は、全国平均の2倍以上が未婚という現象が起きている。

 

 1500万以上の年収では、未婚率が下がっており、イケメンの若い子羊を家に囲いこみ、将来の支援活動に楽しんでいるのかもしれないけど、結局のところ、年収の高い女性は、自ら結婚をしない選択肢を取っているのだろう。

 

 いまは、「一生働き続けたいからこそ一般職や地域型総合職」という選択肢が大学生の間で増加してきているようだ。転勤や長時間労働の見返りとして、昇進、高額報酬という日本企業のスキームにNOを突きつけた、目先が利く女性は、恋愛論でマウンティングしている人の先を行き、家庭を手にしているのかもしれない。

 

   この不思議な国に迷いこんだアリスは何を思うのだろう。

 

 

 参考文献

東京は高給女と低収入男の「未婚アリ地獄」だ | ソロモンの時代―結婚しない人々の実像― | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 

なぜ超高学歴女性ほど生きづらいのか? | プレジデントオンライン

 高学歴女子はなぜ今、あえて一般職なのか | BUSINESS INSIDER JAPAN