プライムタイムズ

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結婚は必ずしも美人がモテるわけではない

 いつの時代も、どこの国でも美女は男性を魅了し、ときに狂わせる。世界三大美女として名高いクレオパトラは、 絶世の美女として知られるだけでなく、7ヶ国語を操り、話術も巧みだったという。当時のローマは、三名が実権を握り、互いに牽制し合いながら帝国を統治する三頭政治が敷かれていた。その1人であるアントニウスに呼び出されたとき、クレオパトラは色仕掛けを図って近寄り、二人は愛人関係となって三人の子を授かるのだ。アントニウスは、クレオパトラにのめりこみ過ぎたため、ローマ市民に不興を買ってしまい、それを好機とみたオクタウィアヌスは、アントニウスクレオパトラを攻め立て、アクティウムの海戦で撃破した。これによってアントニウスは自害に追い込まれ、クレオパトラも毒蛇に自らの体をかませて自害した。こうしてアントニウスは、「女王に骨抜きにされた、ローマ人の自覚を失った男」として後世に語りつがれることになったのである。

 

 もう1人の世界三大美女として中国の楊貴妃も有名である。そのあまりの美しさに時の皇帝玄宗が惚れこみ、本人だけでなく、親族も大出世を果たした。楊貴妃は、全身からこの世のものとは思えぬ妖艶な香りを発し、花が恥じらい、しぼんでしまったという伝説も残したほど圧倒的な美を持っていたのだ。楊貴妃への愛に溺れた玄宗は、アントニウスと同様、次第に政務を怠るようになってしまった。その結果、安史の乱が勃発し、玄宗楊貴妃はともに長安から逃亡したが、兵士は、この混乱の元凶が楊貴妃にあるとしてその命を要求する。玄宗楊貴妃のことをかばうものの、兵士たちの怒りは収まらず、楊貴妃は絞め殺されてしまったのである。

 

 現代の日本でも、政治家、官僚、ときの経営者が、女性に惚れこみ、我を忘れたようにのめりこむ様は、連日のようにニュースになり、世の中を賑わせている。どこかの官僚が、女性記者に卑猥な発言をしたとする疑惑によって、辞任した話は記憶に新しい。男女の恋愛のあり方は様々で、パパ活にしろ、キャバクラにしろ、社内恋愛にしろ、その出会い方は多岐にわたっている。

 

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 これは統計局の「人口動態統計の年間推計」の中から抜き出したもので、年度別の男女の初婚平均年齢を表している。1950年には、男性が25.9歳、女性が23歳となっており、20代前半に独身生活を卒業する人が多かったが、2016年には、男性が31.1歳、女性が29.4歳と男女共に6歳ほど初婚年齢があがっている。晩婚化は、生産年齢人口が減退するなかで、日本の少子化を促進する深刻な課題だ。一方で、このデータは、男女の恋愛の期間が長くなっているということを示しており、昔よりも付き合う人数も増加しているに違いない。これはテクノロジーの発展により、スマホマッチングアプリなどのSNSツールが溢れ、出会いの量が格段に増加していることを要因としてあげてもおかしくはないだろう。また昔であれば知りえないような限られた情報が出回ることで、普段出会わない層同士がマッチングを目指していることもあげられるかもしれない。これは現代の不幸をよんでいるといえなくもないけど。

 

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  これは全国14ヶ所に結婚式場を展開するアニヴェルセル株式会社が、全国23歳から39歳の男女600名(未婚男女300名)を対象として、「結婚したい男性/女性」と「付き合いたい男性/女性」について集計したアンケート結果である。ここで付き合いたい女性の1位が「美人・かわいい」、2位が「性格が優しい、穏やか」、3位が「価値観があう」となっており、いかに男性が付き合う女性に対して外見を大事にしているかわかる。その一方で、結婚したい女性の1位は「価値観があう」、2位が「性格が優しい、穏やか」、3位「金銭感覚があう」となっており、「美人・かわいい」が5位まで落ちていて、男性が結婚するうえで、外見は優先順位がそれほど高くないことが読み取れる。

 

 男性が何歳の時点でシフトチェンジするのかは定かではないが、交際期間1年で結婚するのが最も多いようなので、男性の平均初婚年齢である31歳から差し引くと、30歳前後から、男性が女性と付き合うときに外見を意識しなくなる傾向にあるといえるだろう。しかも興味深いことに、結婚にあたって金銭感覚が一致するかどうかも重要になってきている。一緒に生活するわけだから、当然といえば当然なのだろうが、恋愛には求めていないのだ。

 

 これはある意味で、美人とは身の丈を越えて、多少無理な金をかけても付き合いたい、結婚する女性とはありのままでいたいという、なんとも身も蓋もない話になっている。だからこそ、収入の高い男性が、なりふりかまわず若い美人と付き合おうとするのも当然なのだろうし、現実にそういう例もあるのだろう。つまり女性としては、男性の身の丈に見合わない寵愛を受けているときは、自分が単なる恋愛対象に過ぎないととらえ、徐々にケチになってきたら、男性が結婚を意識しているんだと考えてもいいのかもしれない。ちょっと極論すぎるかもしれないけど。

 

  人間にとって恋愛と結婚は、人生の重要なイベントの一つで、だからこそ、それがもとで生活を狂わせることもあるのだろう。

 

  バレンタインデーもいいけど、みんなしっかり働こうね。

 

参考文献

モテ男、モテ女の条件とは?! 「結婚したい人」と、「付き合いたい人」の違いを大調査!